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老いを学ぶ

2013年10月09日

老いの工学研究所提供

継続は力なり

老いの工学研究所

久保田一郎さん(77歳)埼玉県 川越市

(撮影/小山一芳、文 /代田耕一)

「菓子屋横丁」にある「玉力製菓」さんに老舗を守り続けている頑固な職人がいると聞き、江戸情緒あふれる「小江戸」・川越に行ってきました。

明治初期に江戸っ子好みの気取らない菓子を製造したのがはじまりと言われる「菓子屋横丁」、昭和初期には70軒ほどが軒を連ねていましたが時代の移り変わりにより店舗は激減し衰退、その後、地元の努力により再び賑わいを取り戻しました。

「玉力製菓」さんは大正3年創業で昔ながらの家族経営。お店で働いているのは三代目のご主人と奥様、四代目の息子夫婦そしてお孫さんです。

ご主人は昔気質の職人さんで淡々と飴をこしらえていきます。その手さばきといったら人間の手はこんなに動くものなのかと見とれてしまうほど。

水飴は冷めると固くなってしまうので熱いうちに早くつくらなくてはなりません。仕事場は静かでピンと緊張した空気が漂っています。家族ならではの「あうん」の呼吸で全員がテキパキと働いているその姿を、通りがかりの人がみんな覗いていきます。

この光景をファインダー越しに覗いていると言い知れない「何か」を強く感じました。家族一緒に食事することすらままならなくなった現代にあって「熟練たる当主の姿を見習い、家族が全員力を合わせて黙々と仕事をする。」その光景は「当たり前ゆえの正しさ」にあふれていました。

同業者が一軒、また一軒と廃業し商店街がなくなりそうになった時も、観光スポットとして脚光を浴びお客さんでごった返している時も、全く変わることなく昔からの作り方にこだわってきたご主人。家族はそんなご主人を尊敬しています。そしてご主人は支えてくれてきた家族に感謝しています。

三代目ご主人が「続けてきてよかったよ」と静かにつぶやいていたのが印象的でした。
「菓子屋横丁」の老舗ですくすくと育ってきたお孫さん。きっと当たり前のように「玉力製菓さん」の五代目となることでしょう。

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