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老いを学ぶ

2013年07月30日

老いの工学研究所提供

定年後に農業法人で働く。【平形喜男美さん(76歳) 埼玉県上尾市】

老いの工学研究所

平形喜男美さん(76歳) 埼玉県上尾市
(撮影/小山一芳、文/代田耕一)

現地を訪れ、近づくにつれ桃源郷のような景色が広がっている。まさにそこだけスポットライトがあたっているような不思議な感じ。畑で楽しそうに収穫に精を出す、たくさんのお年寄り達。彼らの平均年齢は72歳。

後継者不足に悩む農業にお年寄りのパワーをうまく活かしている会社があると聞き「農業生産法人ナガホリ」を訪ねました。この会社概要については、別の機会に詳しくご紹介するとして、今回は畑で収穫していた中の一人・平形喜男美さんにお話を伺いました。

平形さんは日産に就職してから上尾に住み、勤めあげた元事務方のサラリーマン。定年退職し、散歩していたら不思議な工場を見つけのがここで働くきっかけとなったという。
入り口に掲げられていた求人広告の看板を見て中に入ってみると、そこは大きなスペースの野菜出荷場だった。社長の奥様である専務と面接して働くことを即断。翌日から出社したという。すっかりはまってしまい、体調の許す限り出社し働く毎日。平形さんは一気に心のうちを話してくれた。

「収穫するグループの平均年齢は72歳。自分と同じくらいの人たちで気楽につきあえる。なによりもここには昔会社で厳然として存在した上下関係がありません。楽しいのでよけいに話がはずみます。」
「お日様の下で毎日体を動かして働く。土をいじって汗を流して働く。なんだかとても気持ちがいいのです。」
ここで働いている方はサラリーマンを定年退職された方ないしその奥様が100%。
「長い人生の中で今が一番充実していて楽しい。」

この言葉は平形さんだけでなく、全従業員の実感なのだという。定年退職後に引きこもりになるサラリーマンが多い中、ことここに限っては、その傾向はない。
平形さんの屈託の無い笑顔は団塊の世代が高齢者に移行していく今後の日本の社会に重要な示唆を供与している。

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