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老いを学ぶ

2014年04月17日

老いの工学研究所提供

79歳の若手という生き方。~「桂歌丸師匠は1歳下。欽ちゃんは高校の6つ後輩」

老いの工学研究所

佐川真勝さん(79歳)千葉県市川市/漫才師
(取材撮影:小山一芳、構成・文:代田耕一)

「この前、お笑いライブのチラシで自分の写真に黒枠つけて『生前葬じゃなくて生前騒だっ!』てやったら主催者に怒られちゃった。」とペロっと舌をだしたのは、漫才コンビ 「めいどのみやげ」のティーチャさん。

御歳なんと79歳!。名前の由来はティーチャさんがおいしいものを食べた時の口癖「冥土の土産になるなあ」だとか。
記憶をたどりながら今にいたるまでをリズムよく語り始めた。
「小学生の時に親父がお笑いにつれてってくれた。当時はニュースや映画、演芸も見る事ができるから面白くてね。それ以来すっかりお笑いのとりこになっちゃたねえ。」「大河内伝次郎や阪東妻三郎の物真似や講談なんかもできるようになって町の演芸場やラジオのノド自慢を荒らしにいったもんだ。」

大学に進学、野球部に所属しながらもフランク永井のもとで司会の勉強。卒業後は建設会社に就職。しかしお笑いへの夢をあきらめきれず、27 歳でせっかく入社した会社を退職。劇団に入り漫才トリオを組んだ。が、メンバーの一人にギャラと衣装代を持ち逃げされ自然消滅。大映に営業兼司会兼俳優を務め、喜劇映画にも出演し順調な滑り出しであったが訳あって実家に戻り、家業のガソリンスタンドを継ぐ。

時間があったので、ふと「地元の子供に野球を教えたい」と思い立ち、高校野球部の監督に就任。寸前に契約していた芳香剤シャルダンの TVCM が放映されていたため、生徒に「シャルダンおじさんだ」とはやされ「やくざは足も洗えないのか」と落胆したとか。 41 歳で晴れて教員免許を取得、学校教諭となり 2002 年には軟式野球全国大会で準優勝。「定年になったらみてろよ」と心中密かに期しながら社会科教師を 65 歳まで務める。

退職後すぐさま CM オーディションを受け、老け役メイクの必要がない役者として、主役級の年寄り役を 3 本もらう。劇団にもはいり舞台俳優として活動。 あるとき娘が参加しているコミックバンドのライブで前座として娘と一緒にコントや漫才をやったら、大好評を得たので、正式にコンビ結成になったという。

彼らの漫才は「まもなく79歳、歌丸師匠は1歳下。」「欽ちゃんは高校の6つ後輩」と小気味良いツカミから始まり、最後は二人で「めいど、めいど、めいどのみやげ!」と歌い、合掌しネタは終わる。ネタを作るのは娘でティーチャさんは「万引き犯のおじいさん」「プロポーズを練習する高齢者」といった個性的な役柄を演じる。

ステージ一回一回どれだけ観客から笑いをとれるか、実力だけがものを言うお笑いの世界。ライバルはすべて孫ほどの年齢の若者達。いつか売れる日を夢見て「現役最高齢の若手」は生き残りをかけてお笑いライブを月に十数回も精力的にこなす。
やりたいことがある人、夢を持ち続けることができる人は、それを実現するエネルギーに満ち溢れている。

ティーチャーさんにそれを強く感じることができた。

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