「中楽坊」スタイル

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老いを学ぶ

2020年05月20日

高齢者医療に詳しい専門医と、シニア向け分譲マンション「中楽坊」について語り合いました。(専門誌「ハロードクター」から転載)

当社と、高齢者医療に詳しい、整形外科医で医療法人高遼会「高遼会病院」(大阪市平野区)の院長を務める脇谷滋之先生が、中楽坊について対談をいたしました。

司会)健康長寿社会という観点から、中楽坊での暮らしを、どう感じられますか?

脇谷院長)
高齢者医療における大きな課題は、認知症と歩行能力低下です。私の専門である整形外科で扱うのは歩行能力の低下ですが、これは医者が治すものではありません。日常生活でどんどん歩いて、筋肉の衰えを防止することが重要です。どこかへ出かけて歩いたり、誰かと会話したりすることは、認知症の予防にもなります。
ですから、そういった機会が自然に生まれる中楽坊の環境は、高齢者の暮らしにとって非常に望ましいと言えるでしょう。
高齢になると骨粗鬆症が出てきますし、ちょっとした段差で転んだりベッドから起きるときにすべったりして、骨折することは少なくありません。手首などの骨折なら歩行能力には関係ありませんが、問題は大腿骨の場合です。手術をした後ずっとベッドで寝ていると、骨はもとに戻っても筋肉が衰えて歩けなくなります。ですから、近年は人口骨頭などを用いて手術後できるだけ早くから歩いてもらうのが一般的です。高齢者の健康維持のためには、とにかく歩くことが大切なのです。

司会)従来の老人ホームやサ高住とは、根本的に発想が異なるのですね。

当社)
その通りです。従来の高齢者施設では、守ってあげることや何かやってあげることばかり考えていたのではないでしょうか。もちろん良かれと思ってのことですが、やりすぎはプラスになりません。また、入所を決めたのは本人ではなく周りの家族というケースも多いでしょう。かつては高齢者を幼児のように扱う施設があったのも事実で、とても見ていられないと感じていました。そういったサービスが望まれる状況はありうるし、手厚いサポートが必要な要介護の高齢者もいらっしゃるでしょう。しかし、私たちはそれらと違うものをつくろうと思ったのです。
多くの施設では、食事や運動などを管理することに神経を使っており、例えば食事のメニューや時間も決まっている場合がほとんどです。しかし、中楽坊ではいつでもレストランを利用できますから、もちろんすべて自由です。最初に費用を支払って三食が出てくるのではなく、自分が望むときだけ利用するのです。お孫さんがやってきて、三世代で食卓を囲んでいる場面もあります。ただ、認知症予防のため自分で料理をされる方が多いのですが。
中楽坊は「至れり尽くせり」ではありません。入居者から求められれば最大限サポートしますが、そうでない限りは何もしません。入居者の方々も、それを望んでいます。何か問題が生じても、コミュニティの誰かがリーダーとなり、調整役となって自分たちで解決しているので、私たちが関与する必要はあまりないのです。

脇谷院長)
入居者の方々の前向きな姿勢が大変すばらしいですね。
先ほども申し上げた通り、高齢者の歩行能力は医者がどうにかできるものではなく、自ら積極的に筋肉を使わなければ衰えてしまいます。老人ホームなどに入った高齢者はどうしても受け身になりがちですが、ポジティブであり続ければ高齢者によくある腰痛や関節痛になりにくいのです。
自立した生活を送り、身の回りのことは自分でやって、サークル活動にも参加して、といった環境は、自然とポジティブになれます。そういう仲間たちに囲まれていれば、受け身な人でも感化されて前向きになるでしょう。

当社)
皆さん自分で決めて入居した方ばかりですから、その意味でもポジティブです。さらに今後は入居者同士のコミュニティだけでなく、例えば地元の大学と連携した取り組みとか、ボランティアで幼稚園の子供たちに何かを教えるといった、地域との交流をぜひ実現したいですね。

司会)分譲マンションとして所有権を持つことができるのも大きいですね。

当社)
売却や相続はもちろん賃貸に回すことも可能です。弊社では、売却や相続などをサポートする専門のチームを置いています。シニア向け分譲マンションは、一般的なファミリー向けの物件と評価の基準・観点が異なるので、普通の不動産会社には取り扱いが難しいのです。
例えば、通勤の必要がないので駅に近いことは求められませんし、小中学校の学区なども関係ありません。一方で、入居者のコミュニティなどは評価が難しいでしょう。
希少価値があり、ソフト面が重要になるので、築年数がたっても評価はあまり下がりません。現在、中楽坊では売却物件が出るとすぐ買い手がつきますので、お問い合わせがあっても待っていただく状態です。

司会)価格面ではどうでしょうか?

当社)
老後資金が不安の方には、戸建ての自宅などを売却される場合のサポートはもちろん、いわゆる「リバースモーゲージ型の住宅ローン」もおすすめしています。
これは、購入する住戸を担保に銀行から融資を受け、そこで暮らす間は利息だけ支払い、亡くなった後に売却して返済するというものです。アメリカなどで一般的ですが、最近は日本でも知られるようになってきました。
これを活用することで物件価格の半分ほど手持ち資金があれば中楽坊への入居が可能です。ご高齢の方は「この年になってローンは組めない」というイメージで避けてしまうこともあるのですが、非常に優れた金融商品だと考えています。

司会)最後に、お二人からハロードクター読者へのメッセージをお願いします。

脇谷院長)
私たち整形外科医の目標は、死ぬまで歩いていただくこと、すなわち寝たきりの期間をなくすことです。
脚は筋肉の量が多いので、それを使うことで糖の代謝が良くなってインスリンの反応性が上がり、糖尿病にもなりにくいのです。もちろん歩くことは認知症の予防にもなります。そのためには、高齢者が自然と歩くことができる環境、そして何でもポジティブに取り組む姿勢が大切です。
中楽坊の暮らしは、そういった考え方に合致しています。

当社)
郊外の戸建てなどに住んでいる高齢者の場合、自分は以前と同じように暮らしているのに、周りの環境が変わってしまうということがあります。近所にいた友人が亡くなって会話の機会が減ったという人もいます。
私たちが考えているのは、それまでと同じように自立した暮らしを最期まで続けていただくことです。自分のことを自分でやって、コミュニティに参加して、ちゃんと役割がある、という生活です。その場所を提供したいのです。
近年、老人ホームやサ高住などはたくさんありますが、私たちは少し違うことを目指しています。大量に供給できるものではないので、すべての高齢者におすすめするわけではありません。自立した暮らしを続けるのが楽しいと思ってもらえる方々に、ぜひお届けしたいと思います。

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