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老いを学ぶ

2017年02月15日

老いの工学研究所提供

「子供に心配をかけない環境で暮らしている」高齢者は、約4割にとどまる。

老いの工学研究所

NPO法人「老いの工学研究所」の「高齢期への備えに関する調査」の結果。(246 名が回答。65 歳以上:102 名、65 歳未満:144名、平均50.4 歳)

1.身体の衰え以外は、安心の高齢者。次世代は「孤独」「お金」で高齢期に強い恐れを抱く。

「高齢期に心配なこと、恐れをかんじるもの」について、20 項目の中から選んでいただいたと
ころ(複数回答可)、65 歳以上と65 歳未満では以下のようになりました。

心配や恐れとして、「やることがない状況」「孤独や寂しさ」「蓄えの少なさ」「年金の受給額」は、高齢世代では2割程度ですが、65歳未満では約半数に上り、大きな差となりました。高齢期について、次世代が 実際よりも「孤独で寂しく、暇を持て余す」といったネガティブなイメージを強く持っていることが分かります。
経済的な面では、高齢者に手厚い制度・政策が高齢者の安心につながっている一方で、次世代が「年金制度の将来」や「高齢期にどれくらいのお金が必要なのか分らない」など、漠然とした不安を、抱えているのではないかと考えられます。
「身体能力の衰え」「認知症」「家の周辺環境」「大きな病気やケガ」は、65歳未満も高齢世代も共通して高齢期の心配や恐れとして挙げています。

2.「子供に心配をかけない環境で暮らしている」のは、高齢者の4割にとどまる。

高齢期への備えとして8項目を提示し、それらが「重要だ」と回答した割合、「現段階でその備えが十分だ」と回答した割合は次の通りとなりました。(「重要だ」「どちらとも言えない」「重要でない」、「十分だ」「どちらとも言えない」「不十分だ」の3つから選択する形をとりました。)

「資産を相続しやすい形にする」を除き、重要な高齢期への備えについて、次世代と高齢者にはおおむね共通の認識があることが分かります。
「重要だ」から「十分だ」を引いた「重要なのに 対応できていない」人の割合をみると、老後資金が65歳未満で82%となり、高齢世代の34%を大きく上回りました。
 高齢世代が、「重要なのに、対応できていない」と思っている項目は、「子供に心配をかけない環境で暮らす」(58%)が最も多く、次いで「一人でも自立生活ができる」(46%)、「死・葬儀・墓に関する意向を伝える」(45%)となっています。

3.8割が、高齢期に「子や配偶者に迷惑や負担をかけたくない」。

「非常に重視する」「重視する」を合わせると、全体で8割を超え、子や配偶者に迷惑や負担をかけないように暮らそうとする人が、非常に多いことが分かります。

4.自分が要介護状態になる可能性、高齢者は半数、次世代では3人に2人。

要介護状態になり、子や配偶者に負担をかけるケースを想定しているのは、高齢者の50%に対して65 歳未満が68%に上り、ここでも次世代が高齢期に対して悲観的であることが分かります。転倒・急病による治療・入院も、次世代が10 ポイント上回りました。

今回の調査では、次世代が持つ高齢期のイメージが、実際の高齢者の暮らしよりもかなりネガティブであり、老後資金に関する不安も重なって、高齢期に対する心配や恐れが大きくなっている様子が伺えました。このような現実と乖離したイメージは、高齢者を可哀想だと思い込んで弱者扱いするなど対応を誤ったり、必要以上に高齢期を恐れる姿勢につながったりし、活力ある長寿社会の実現にとってマイナスに作用します。
現実とは乖離し、かつ漠然とした恐れを抱いたままではなく、高齢期に必要な備えをし、楽しく充実した高齢期を過ごすには、「現実の高齢期の暮らしや、高齢者の心境を知る機会」、「具体的に高齢期の暮らしを考える機会」を、次世代に対して積極的に提供していく必要があります。

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